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「そろそろ契約の更新時期がきますので、借上げ家賃を周辺の賃貸需要も勘案しまして○○○万円というところでいかがでしょうか…」 |
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「え、何のこと?」 |
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「だからぁ、契約更新がきてるから、再度契約したい場合は、この家賃ならうちで借上げますよっていうことですよっ!」 |
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「話が違うじゃないですか? だってお宅のXさんはこの場所であれば35年間ずっといい条件でうちが借上げられますって言ってたんですよ。だからお宅と契約したんだから。それをたった3年で契約更新なんてどういうことですか?!」 |
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「それは少し話がずれてますね〜。だってほら、契約書のここに書いてあるじゃないですか。経済状勢等を勘案のうえ3年ごとに甲と乙が協議を行なって継続していくって。」 |
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「それはそう書いてあるけど…。でもXさんはそんなことは言ってなかった気がする。いつも35年保証バッチリですよって言ってましたよ。ちょっと彼に確認してみたい思いますので携帯で連絡とってもらえますか?今すぐに!」 |
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「さぁ、私もXという人には全く面識がないので・・・。それに転勤になったのか、どこかうちの子会社に行ったのか、辞めたのか…。私には全くわかりませんね。なんせうちも何千人という社員がいますからね〜」 |
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「なんて無責任な!それって詐欺じゃないかっ!」 |
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「Bさん、それはちょっと失礼じゃないですか。だってこの契約書にちゃんとあなたは署名押印してあるし、私はただこの契約に沿って申し入れに来ただけなんですよ!」 |
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「「・・・・・・」(かなり憤っている) |
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「で、どうされます? この周辺もアパートが急に増えて空室がかなり目立つようになってきてますので、B様のアパートを満室にするためにも競争に勝てる家賃まで下げないと・・・。この借上げ家賃はうちもかなり無理しているんですよ!」
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「・・・・・・」 |
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「いやならいやでいいんですよ。甲乙の協議が不成立に終わったということでとりあえず今月でもって借上げ契約は解除させていただきましょうかね。あとはBさん、ご自分で頑張ってください。でも大変ですよ〜賃貸の管理ってのは。では、私も忙しいのでこのへんで失礼させていただきますわ」
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「ちょ、ちょっと待ってください」 |
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「まだ何か…?」 |
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「これまで通りの家賃での契約継続はしてもらえないんですか?」 |
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「まぁ、外壁全面の塗り替えをうちでやっていただければ、同じ条件であと2年継続できますかね。」 |
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「それってどれくらいかかるんですか?」 |
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「まぁ500万程度ですみますよ、うちならね」 |
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「えっそんなに…。分かりました。じゃ、Zさんのその条件で引き続きお世話お願いします」 |
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「ありがとうございます。今後ともお互いに助け合いながら頑張りましょうや!」 |
いうまでもなく、更新後のBさんの毎月の手取り収入は急速に悪化、勝負をかけた多大な設備投資に対してスズメの涙ほどしか手元に残らない怒りとむなしさ。このセールス手法の毒牙にかかって苦しんでいる人達が全国に何万人いることか・・・。現場を回っていてつくづく情けなくなる。