当初Bさんはその活用対策としてアパート経営を考えていたのですが、周辺に次々と同じようなアパートが林立していることから、空室リスクの恐怖から他の活用方法を懸命に模索していたのです。
そこに現れたのが、「35年間家賃保証」を売り物にした某大手アパートメーカーの営業マンX。Bさんは、東京からきたというその営業マンの流暢なトークと、家賃保証システムという安心感に惹かれ、単身 用アパート10世帯を5500万円の借入れで建設しました。Bさんの銀行口座には当初一年分の一括借上げ家賃が振り込まれて順調にスタートしたのです。

3年後にそのアパートメーカーの別の営業マンが訪ねてきました。担当の営業マンXは転勤になったとかで、今後はその営業マンZが担当になるそうです。
「ところで…」営業マンZが切り出した言葉はまさにBさんにとって寝耳に水でした。
営業マンZ:「そろそろ契約の更新時期がきますので、借上げ家賃を周辺の賃貸需要も勘案しまして○○○万円というところでいかがでしょうか…」
Bさん:「え、何のこと?」
営業マンZ:「だからぁ、契約更新がきてるから、再度契約したい場合は、この家賃ならうちで借上げますよっていうことですよっ!」
Bさん:「話が違うじゃないですか? だってお宅のXさんはこの場所であれば35年間ずっといい条件でうちが借上げられますって言ってたんですよ。だからお宅と契約したんだから。それをたった3年で契約更新なんてどういうことですか?!」
営業マンZ:「それは少し話がずれてますね~。だってほら、契約書のここに書いてあるじゃないですか。経済状勢等を勘案のうえ3年ごとに甲と乙が協議を行なって継続していくって。」
Bさん:「それはそう書いてあるけど…。でもXさんはそんなことは言ってなかった気がする。いつも35年保証バッチリですよって言ってましたよ。ちょっと彼に確認してみたい思いますので携帯で連絡とってもらえますか?今すぐに!」
営業マンZ:「さぁ、私もXという人には全く面識がないので・・・。それに転勤になったのか、どこかうちの子会社に行ったのか、辞めたのか…。私には全くわかりませんね。なんせうちも何千人という社員がいますからね~」
Bさん:「なんて無責任な!それって詐欺じゃないかっ!」
営業マンZ:「Bさん、それはちょっと失礼じゃないですか。だってこの契約書にちゃんとあなたは署名押印してあるし、私はただこの契約に沿って申し入れに来ただけなんですよ!」
Bさん:「・・・・・・」(かなり憤っている)
営業マンZ:「で、どうされます? この周辺もアパートが急に増えて空室がかなり目立つようになってきてますので、B様のアパートを満室にするためにも競争に勝てる家賃まで下げないと・・・。この借上げ家賃はうちもかなり無理しているんですよ!」
Bさん:「・・・・・・」
営業マンZ:「いやならいやでいいんですよ。甲乙の協議が不成立に終わったということでとりあえず今月でもって借上げ契約は解除させていただきましょうかね。あとはBさん、ご自分で頑張ってください。でも大変ですよ~賃貸の管理ってのは。では、私も忙しいのでこのへんで失礼させていただきますわ」
Bさん:「ちょ、ちょっと待ってください」
営業マンZ:「まだ何か…?」
Bさん:「これまで通りの家賃での契約継続はしてもらえないんですか?」
営業マンZ:「まぁ、外壁全面の塗り替えをうちでやっていただければ、同じ条件であと2年継続できますかね。」
Bさん:「それってどれくらいかかるんですか?」
営業マンZ:「まぁ500万程度ですみますよ、うちならね」
Bさん:「えっそんなに…。分かりました。じゃ、Zさんのその条件で引き続きお世話お願いします」
営業マンZ:「ありがとうございます。今後ともお互いに助け合いながら頑張りましょうや!」
